研究発表

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研究発表

2014年 【第17回国際心理生理学会議(広島)】
Effects of the smell of young barley grass on autonomic nervous system(大麦若葉エキスの香りが自律神経系に及ぼす影響)

○青塚康幸(1),沖田善光(2),筌口桃江(1),高橋勲(2),木村元彦(2),杉浦敏文(3),中村晴信(4)
(1:日本薬品開発株式会社、2:静岡大学大学院・工学研究科、3:静岡大学・電子工学研究所、4:神戸大学大学院・人間発達環境学研究科)
日本薬品開発株式会社は、2014年9月23日から9月27日まで広島市で開催された「第17 回国際心理生理学会議」にて、主に静岡大学との共同研究による大麦若葉エキスの研究発表を行いました。

【背景】
最近の研究で、緑色植物や野菜のにおいが動物やヒトにおいて抗ストレスや抗不安効果を有することが示されている。しかしながら、これらの効果の神経学的なメカニズムについてはよくわかっていない。そこで本研究では、ヒトに大麦若葉エキス(YBGE)の緑のにおいを暴露したときの自律神経系の機能に及ぼす影響について調べた。

【方法】
安静状態にある7人の成人被験者に、におい刺激を3回のセッションに分けて行った。各セッションは、安静10分間、におい刺激10分間、安静10分間から成り、それぞれのセッション間に30分間の間隔を設けた。におい刺激としては、100%(濃い)YBGE、1%(薄い)YBGE及びコントロールとして蒸留水の3種類を用いた。YBGEは大麦若葉を搾汁したものを用いた。全ての被験者は、濃い-水-薄い、または、薄い-水-濃いのいずれかの順番でにおい刺激をうけた。各セッションの期間中に心電図を記録した。 自律神経活動の評価は、自己回帰モデルを用いた心拍変動パワースペクトル密度解析によって行った。高周波(HF: 0.15 – 0.4Hz)成分及び低周波(LF: 0.04 – 0.15Hz)成分は、それぞれ副交感神経活動及び、交感・副交感神経活動の両方を含む成分として、またLF/HF比は心臓の交感神経-迷走神経バランスを測定するために用いた。時間ウィンドウ(10分間区間のデータ)内を30秒ごとに解析し、その解析データに異常があるときにはデータを補間することで、ノイズや変動によって生じた異常値を除外した。本実験は静岡大学の倫理委員会の承認を得て行った。

【結果】
YBGEのにおい刺激により被験者の副交感神経活動が亢進されていた。反応の程度やパターンは被験者ごとに変動がみられるが、薄いYBGEの刺激では、そのにおいを好む被験者において副交感神経活動が増大する傾向がみられた。

【考察】
心拍変動解析により、緑のにおいがヒトの自律神経活動に及ぼす影響を調べた。本研究で用いたYBGEのにおいは、非常に複雑な揮発性の化学物質の混合物であるため、その影響は被験者ごとに変動した。用いたにおいに対する好みや記憶が自律神経活動へ影響を与えている可能性がある。今後、これらの影響を解明するため更なる研究が必要である。

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