研究発表

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研究発表

2014年 【日本薬学会 第134年会(熊本)】
大麦若葉エキスのマウス海馬BDNF mRNA発現量に与える影響と抗ストレス作用

◯田中 里歩(1)、山浦 克典(1)、深田 秀樹(2)、上野 光一(1)
(1:千葉大院薬、2:日本薬品開発)

日本薬品開発株式会社は、2014年3月27日から30日まで熊本市で開催された「日本薬学会第134年会」にて、大麦若葉エキスの研究発表を行いました。
≫ 詳しくは日本薬学会 第134年会ホームページにて

【目的】
超高齢化社会を迎えた我が国では健康寿命の延長が課題となっている。未病対策の1つとして「健康食品」の活用が考えられるが、国民が「健康食品」を選択する為の情報は不足しており、エビデンスの構築が求められている。青汁の原料として知られる大麦若葉は、健康維持を目的に健康食品素材として汎用されている。これまで我々は、強制水泳試験において大麦若葉エキスのマウスうつ病モデルに対する有効性を報告してきた1)。また我々は、拘束ストレス負荷が海馬脳由来神経栄養因子(BDNF)の減少を介して、マウス自発運動能を抑制する可能性を報告している2)。そこで、本研究では大麦若葉エキスの抗ストレス作用の検討を目的に、拘束ストレス負荷マウスの自発運動量及び海馬BDNF mRNA 発現量に注目し検討した。

【方法】
ICR 系雌性マウス(6週齢)を用い、大麦若葉エキス(400 及び1,000 mg/kg)を5日間連日経口投与した。投与1時間後に3時間の拘束ストレス負荷を5日間与えた。ストレス感受性の指標として、夜間の自発運動量を回転かご式自発運動量測定装置を用いて測定した。最終拘束ストレス負荷直後に血液及び脳を採取し、さらに脳から海馬を分画した。海馬total BDNF mRNA (exon IV)発現量をReal-timePCR 法にて測定した。

【結果・考察】
マウスの自発運動量及び海馬BDNF mRNA 発現量は、ストレス負荷により有意に減少した。大麦若葉エキスが、この自発運動量及び海馬BDNF mRNA 量の減少を改善したことから、大麦若葉エキスが抗ストレス作用を有する可能性が考えられた。

1) Pharmacognosy Res. 1:22-26, 2012. 2) Zoolog Sci. 2013. In press.

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